イラストハンコを彫る。その22015.08.01

荒彫り

 

幅の違う7本の印刀を使い、字入れした部分を浮き立たせるよう彫っていきます。これを「荒彫り」といいます。


量産され市場に出回っている機械彫りのハンコは、手彫りでいうこの「荒彫り」をした状態のものです。
機械で彫ったものであるがゆえに、まったく同じものを何個でも彫ることができる反面、それはあくまで「印稿をそのまま忠実に彫った」だけにすぎません。


それでいいじゃないか、とお思いの方もおられると思います。

ですが、ハンコの本来の意義は、「まったく同じものが二つ存在してはならない」ということです。
唯一無二のハンコを使ってこそ、個人の意思や主張を証明することができるのです。
そうでなければ、いくらでも他人に偽装され悪用されてしまいます。

 

いかに機械に頼らず手作業で彫刻するかによって、偽造防止になるかが決まります。
荒彫りの段階から手彫りすることによって、彫った本人ですら、二度と同じものは彫れないのですから。


手彫りと機会彫りの違いはもう一つ、彫り跡の違いがあります。

 

たいていの彫刻機は、まっすぐにしか彫れません。彫った跡が垂直の壁のようになっています。
対して手彫りの場合は、わずかに斜めに彫ります。断面図で言えば、文字の部分を上辺とした台形のような彫り跡になります。
つまり、それだけ耐久性があるのです。
細かい、細い字であればこそ、その土台となる部分が重要となり、職人の腕の見せ所になります。
その調整がきかない機械彫りでは、印稿通りまっすぐにしか彫れないので、ちょっとした衝撃で破損してしまいます。

手彫りのハンコが何十年も長持ちするのは、そこにも理由があるわけです。

 

それはこの後の「仕上げ」の作業にもかかわってくる作業ですが、この荒彫りの段階から意識して彫ることが重要です。

 

このように、完全手彫りの彫刻作業は、とても手のかかるものです。
だからこそ、唯一無二のものが生まれます。

 


そんな技術を、趣味で使うのはどうなんでしょうね(笑
仕方がないです。彫ることが好きなので。

こういった形でもアピールしていくことは、ハンコ屋としては大事だと思います。

 


次回は、仕上げ作業に入ります。

 

 

参考動画:

【手彫り】解説&コメ返し。01:荒彫り


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