プロとして、職人として……2016.09.17

先日、お客様から問い合わせがありました。

 

15mm丸印でイラストハンコが彫れないかと。

 


当店でイラストハンコとして販売しているのは、18mmと21mmのみ。
それより小さいサイズでは可能か? ということですが……。

 

率直に、図案による、としか申し上げられません。


そもそも、なぜ18mm以上に限定しているかといいますと。
そのサイズが文字とイラストを両立して彫刻できる限界だと判断したからです。

 

もちろんイラストといっても千差万別ですし、星やハートなどの簡単な記号の類なら小さいサイズでも可能でしょう。
しかしここで言うイラストとは、今までブログで紹介してきた高密度のイラストハンコのことです。
あの密度のイラストを15mm以下の丸印で彫れと言われても、もはや物理的に不可能です。
がんばればそれなりのものができるかもしれませんが……商品として成り立つレベルにはならないでしょう。

 

さらにそんな細かい絵を入れてしまったら、彫刻する文字をかなり小さくしなくてはならなくなります。
本来、ハンコ、印章としての一番大事な部分は、言うまでもなく彫刻された文字(印面)です。
イラストが主役になってはいけないのです。

 

イラストハンコを前面に出している自分が言うのもおかしな話だと思われるかもしれませんが、その根本は守っているつもりです。
つまり、ハンコとして一番大事な文字をしっかり主張しつつ、イラストを配置することを常に心がけています。
15mm以下でイラストハンコをお彫することができないのは、そのバランスが取れなくなるからです。

 

 

イラストを配したハンコを販売している通販サイトといえば、全国的に有名な某お店がありますが。

 

最近のラインナップを拝見していると、正直、残念でなりません。
肝心の文字が完全に絵に埋まって見えづらくなってしまっている。
売りにしている絵は線がつぶれてガタガタ、滑らかな線が全く生かせていません。
細かい絵をそのまま機械彫りしているせいです。
あれではどんなに頑張っても、きれいに捺せるわけがない。
よそ様のお店をあまり悪く言いたくはないのですが、プロとして、一級技能士としてあれを認めるわけにはいかないのです。
広い目で見れば、ハンコ自体の価値を下げ、業界の衰退を加速させかねない。
ただでさえ、機械彫りの大量生産された粗悪品が広く浸透してしまっているのが現状です。
本来のハンコとはどんなものなのかを、発信し続けるのが技能士としての自分の務め。
中途半端なものを作ってはならない。

 


やや話がそれてしまいましたが、たとえそれがイラストを入れたハンコであったとしても。
職人として本気で取り組みます。
ゆえに譲れない境界線があるということを、ご理解いただきたいのです。


このことについては、ハンコの知識にて後日改めてまとめたいと思います。


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