試験日迫る2017.07.08

 

全国の職人たちが挑み、厚生労働省が認める国家資格を得ることができる、技能検定

 

それとは別に、公益社団法人全日本印章業協会が主催するのが、技術検定

 

その本番まで、一ヶ月を切りました。

 

木口彫刻はすでに一級を持っていますので、次に挑むのはゴム印一級。
写真のような課題を、4時間ほどで彫りあげなければなりません。
しかも自筆の版下をゴム板に転写するところから。

 

まだまだ練習途中ですが、なんとか時間内で課題を彫り終えることができました。
あとはどれだけ精度を上げられるか。

 

 

本番まであと何回彫れるか分かりませんが、全力でぶつかっていこうと思います。


新しい砥草2017.06.26

貧乏性の自分は、同じ道具をついずっと使い続けてしまう傾向にあります。
もちろんそれが間違っているとは思わないし、この仕事を続ける以上、それがある意味必要なことだと理解しています。

 

でも時には、思い切って新しくしたほうがいいこともある、という事例。

 

 

 

こちらは砥草と言って、ハンコの印面を平らに削る道具です。
本来の砥草は、文字通り草を割いて並べて台に貼り付けたものを言います。
写真の左から二番目のものがそうです。今ではほとんど手に入りません。

 

一言で表すなら、平らなヤスリ。
この平らであることが大変重要で、これがないとハンコを平らに削ることができず、綺麗に捺せなくなってしまいます。

 

 

これらを使い続けてもう数年が経ちますが、最近はどうも削り具合が悪いなと思っていました。
いくらがんばってもほんの少ししか削れず、平らに削るのに大変苦労していました。

 

そこで、未使用の砥草があることを思い出し使ってみると……驚くべき削り速度。
写真の一番左がそれです。
見た目からして違いますね。

 

なるほど、長年使い続けた砥草は目が寝てしまっていたんですね。
削りにくくなるわけです。
ダイヤ砥石でもあるまいし、すこし考えれば分かることでした……。
自分の頭の固さにあきれるばかり。

 

 

今後は、削りづらくなってきたら早々に新しいのを買おうと思います。


仕事環境って本当に大事。2017.06.12

 

普段の木口彫刻では、回転式で角度のついた作業台でハンコを彫っています。
しかしゴム印は、角度がついていると台から滑り落ちてしまうので、あえてフラットな作業台で彫っていました。

 

そのため、どうしても姿勢が悪くなり首や肩に負担がかかり、数時間も彫っていれば痛くなる始末。
そうなると集中力も続かないし、効率も落ちる。
どうにかならないかと考えた結果……。

 

ふと思い立つ。

 

木口で使う篆刻台にそのまま板を張り付けてゴム印を彫ればいいのでは?

 

これならすべり落ちないように手で押さえる必要はないし、回転も楽。
むしろなぜ今まで気づかなかったんだろう……。

 

現に、この状態でゴム印を彫っても首や肩が痛くなりませんでした。
これはいい。

 

8月のゴム印の検定試験に向けて、練習を重ねなければ。


暑い夏がやってくる……2017.06.10

改めて書きますが、自分は手彫りハンコの国家資格、一級印章彫刻技能士の資格を持っています。
柘植や黒檀などの木材の印材、黒水牛などの牛角の印材、果ては象牙の印材も彫れます。

 

そうした印材に彫刻を施すことを「木口(こぐち)彫刻」といいます。
その技術を厚生労働省が認定したのが、この資格なわけです。

 

 

一方、ハンコといえばもう一つ思い浮かぶのが、ゴム印

 

昔は今のようにゴム印を彫る機械なんてありませんでしたから、全て職人の手作業でした。
木口彫刻と同じく、手彫りゴム印の一級技能士の資格も存在します。

 

しかし、ただでさえ手彫り職人の数が減り、手彫りでゴム印を彫る人なんて数えるほどになってしまいました。
その絶滅寸前ともいうべき貴重な技術を、僕は講習会で学んでいます。

 

 

前置きが長くなってしまいましたが、その手彫りゴム印の検定試験が、8月にあります。
自然な流れで、自分もそれに挑戦することになりました。

 

目指すはもちろん一級。

 

ただ、決めたのが本当に最近なので、あと二ヶ月でどこまでできるか分かりません。
試験の課題も、現時点でちゃんと終わらせられるか正直不安です。

 

でもこのままいくと手彫りゴム印の資格自体がなくなるかもというので、ダメ元で挑戦してみます。


篆書古印:百福2017.05.31

  

 

205mmゴム印 篆書古印:百福


講習会のコンクールで彫ったゴム印です。
彫ってあるのは全て「福」の字。文字通り百通りの福の字が並んでいます。

 

もちろん字にもよりますが、一文字でこれだけのバリエーションがある。それが篆書の魅力です。
その篆書体に、古印体の要素も取り入れることにより、より味わいのあるハンコができあがりました。

 

なにしろ大きさが一辺約20㎝もあるので、彫るのも並大抵ではありませんでした。
切り回しという、文字の輪郭にそって切れ込みを入れる作業があるのですが、一行を終わらせるだけで数時間はかかります。
それを10列。
そのあとには、文字の間を浚って切り離す作業があり、途方もない作業量と時間、そして集中力を要しました。
当然、ミスをしてしまえばそこで終わりです。

 

もし同じものを彫ってほしいと言われれば、相当の額を頂かなければならないでしょう。

 


これを捺した印影だけでも結構な存在感ですので、現在は額に入れて作業机の上に飾っております。