篆書古印:百福2017.05.31
205mmゴム印 篆書古印:百福
講習会のコンクールで彫ったゴム印です。
彫ってあるのは全て「福」の字。文字通り百通りの福の字が並んでいます。
もちろん字にもよりますが、一文字でこれだけのバリエーションがある。それが篆書の魅力です。
その篆書体に、古印体の要素も取り入れることにより、より味わいのあるハンコができあがりました。
なにしろ大きさが一辺約20㎝もあるので、彫るのも並大抵ではありませんでした。
切り回しという、文字の輪郭にそって切れ込みを入れる作業があるのですが、一行を終わらせるだけで数時間はかかります。
それを10列。
そのあとには、文字の間を浚って切り離す作業があり、途方もない作業量と時間、そして集中力を要しました。
当然、ミスをしてしまえばそこで終わりです。
もし同じものを彫ってほしいと言われれば、相当の額を頂かなければならないでしょう。
これを捺した印影だけでも結構な存在感ですので、現在は額に入れて作業机の上に飾っております。