角印:北村左官商店を彫る。荒彫り2020.07.07
講習会の課題を彫ってみます。
ちょうど二文字ずつ分けられるので、縦書き六分割に字を配置。
商 左 北
店 官 村
これを鏡文字にして字入れしました。
文字だけでなく、全体も左右反転するので、鏡を見ながら慎重に墨を入れていきます。
普段だとPCで手書きした印稿を転写することが多いのですが、筆で書くことも大事です。
筆字も練習しないと、線質を理解できず表現できないからです。
字入れが終われば、荒彫り。
赤い部分をひたすら彫っていきます。
ただ無心に彫るだけではなく、完成図も意識しつつ、字入れで表現しきれていなかった部分を修正していきます。
それができるようになるまでには、何度も練習する必要があります。
あとは、彫り跡をきれいにすること。
底を平らにしておいた方が、見栄えもいいですし次の仕上げがしやすくなります。
それには、印刀の動きを強弱使い分ける必要があり、未熟な人ほど苦手とするところ。
力強く彫り進めるだけでなく、繊細な動きができるようになれば、自然と仕上げも上達します。
とにかく、ハンコの修行の最初はひたすら荒彫りの練習。
その土台をおろそかにしては、いつまで経っても先へは進めません。
もちろん、同時に文字の勉強も必要です。
いくらうまく彫れても、きれいな字を知らなければ意味がありません。