なので自分は、手を抜かない。2022.06.06
仕事で使うお店の角印を彫りなおしました。
前回作ったのはもう8年前。もうそんなに……。
さすがに当時作ったものを今見ると、いろいろと気になる点も多く。
いい機会だし全部削って一から作り直しです。
そのおかげで、今後領収書に自信をもって捺せるようになりました。
いわばお店の顔といってもいいハンコなので、手を抜くわけにはいきません。
印章彫刻技能士であれば自分で彫ることができますが、一般の方はそうもいきません。
ご自分の持っているハンコ、誰の目に触れても恥ずかしくないと言い切れますか?
先日、ご注文をいただき彫らせていただいたお客様。
以前とあるネットショップで買ったハンコが、それはもうひどいものだったと。
完全手彫りなのに、三千円。もうその時点でハズレです。
印面が平らではないので、いくら朱肉をつけてもまともに捺せないものだったそうです。
典型的な、機械で彫っただけの劣悪品。
拝見したわけではないですが、おそらくフォント字を並べただけでしょう。
そうでなければその値段をつけられるわけがない。
なのに、悪びれもせず完全手彫りだという。
印章店としてのプライドがかけらもない、悪質業者だと言わざるを得ない。
こういうひどいお店は一刻も早く取り締まるべきです。
今回のケースはまれだとしても、安物を購入された消費者が、そのハンコの劣悪さに気づいていないケースが多い。
そういう意味でも、現状は深刻です。
毎年更新の免許制にして、技術を持ったハンコ屋しか販売できないようにするべき。
既製品を並べたハンコタワーを廃止するくらいしないと、ハンコの価値は地に落ちたままだと思います。
安い粗末なハンコに、自分の意思を込めるという滑稽さ。
それに気づく方が一人でも増えることを、切に願います。