堀松印房

大事な相棒2020.11.25

 

ハンコを彫るには、彫る道具が不可欠です。これがなければ仕事ができません。

刃物なので日頃からメンテが欠かせず、ずっと切れ味を保つ必要があります。

硬い象牙を彫ったあとは、見てわかるほど刃が削れているので、必ず砥いでいます。

 

大工や料理人などもそうでしょうが、自分で使う刃物は自分で砥ぎます。

手入れすることで道具を大事に扱うようになるし、どうすればよく彫れるようになるか、どうすれば刃が欠けづらくなるか。
意識することで、日々の仕事の仕方にも影響してきます。
結果として、技術の向上にもつながる。
とても大事な作業です。

 


切れ味が鈍っては砥ぐ、鈍っては砥ぐを繰り返していけば、刃が削れて短くなっていきます。
何年も砥ぎ続けていけば、短い刃で彫るのが難しくなってくる。
そのため、刃を出さないといけません。


それが、巻き直し。

印刀を刃と柄に分解し、刃を延ばしてから巻き籐で締める作業です。

 


前回の記録を見ると、5年前にやっていました。
だいたいそのペースで巻きなおしているようです。


5年前とはいえ、やり方は手が覚えていました。
多少てこずった部分はありますが、無事に全て終了。

またこれで、いつも通り彫ることができます。

 

 

この一本一本を使い切るまで、仕事を続けていけたらいいのですが。

 


”意到神存”を彫る。2020.10.06

 

 

講習会で出た課題を彫ってみました。

うっかり切れ味の落ちたままの印刀で彫ってしまったので時間がかかってしまいました。
カーボン印材を手彫りなんてするから……。


次回はイラストハンコの予定です。
過去最大のサイズと難易度に挑戦。
すでに彫り始めていますが、いつ完成するかは未定です。

 

 

動画も作ってみました。↓


■YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=BR3XU9nrfSw


■ニコニコ動画

https://www.nicovideo.jp/watch/sm37631706


篆書・小篆:心無累2020.09.27

 


24mm角(八分角)篆書・小篆:心無累


講習会で彫ったものです。


心無累とは、心に煩わしいことがないこと。


このように三文字を角印に配字する場合、二文字の方を幅広に、一文字をやや狭くします。
どちらに偏っても全体のバランスが崩れてしまうので、ちょうどいい位置をとるのが難しいです。

さらに左右対称、しかも田が多い文字ともなると、曲がらずに彫り上げることはかなりの技量を必要とします。
そういう意味でも、なかなかいやらしい課題でした。

 


小篆にしてはやや線質が硬いのと、心の字がやや太くなってしまった。
それ以外はよくできたと、先生に褒めていただきました。


今後も頑張ります。

 


カーボン製の印材を手彫りする2020.09.24

 


生まれて初めて、カーボン製の印材に手彫り彫刻してみました。
下請け仕事で。

 

本来なら手で彫ることのできない、機械彫り用の印材なのですが……。
フルカーボンではなくソフトなので、手でも彫れると言われ。

これも経験だと挑戦してみました。

 

 

まず結果から言いますと、かなり硬い。
カーボンなので当然ですが、これは手で彫るものではない。

 

極小の砂をガチガチに固めたような感じで、かなり力を入れないと彫れない。
印刀をがっちり固定し、ミスしないよう普段より力んで彫ることになる。

荒彫りの半分もいかないくらいで、両腕が悲鳴を上げました。
とても彫り続けられませんでした。

 

数日かけてなんとか彫り上げることができたものの、腕のダメージは大きかったです。
無茶な彫り方をしたせいで、思い通りに彫れないし、不満の残る出来となりました……。

一本彫っただけで、印刀まで削れてまともに使えなくなりました。

 

 

表面に特殊なコーティングがされているせいか、印面の円の外側付近に変な線が入っている。
いくら削っても取れません。
削りカスも極小なので、ずっと吸っていたら体にも悪そう。

 

見た目はオシャレだし、硬いので人気の印材ですが。
手彫りに向いていないと判明したので、自分の店に加えることは無いと思います。