堀松印房

初めての受賞2021.11.09

 

今年2月の技能グランプリで銅賞を取ったことに対し、
技能グランプリ成績優秀者東京都知事賞」を受賞いたしました。

 

業界内で表彰されたことは何度かありますが、さすがに都知事からいただくのは初めてです。

本来なら授賞式があったのですが、このご時世なので中止となり、賞状は自宅に郵送となりました。
なので味気ない感じがぬぐえませんが、また背負うものが増えました。
都知事にも認められた技術であるということを胸に、今後も真摯に印面に向かい続けます。

 


とりあえず今後は、来年の大競技会に向けて作品作りを始めます。
先日の大印展とはまた別の全国大会で、残念ながら今までいい成績を残せておりません。

 

目指せ金。


第68回大印展2021.11.05


今月3日に、久しぶりに大阪まで行ってきました。
印章彫刻の技術を競う全国大会、大印展の表彰式に出席するため。

 

大印展とは

http://www.daiin.jp/daiinnten.html

 

 

新幹線に乗ったのは今年2月の技能グランプリ以来です。
というか電車自体も久々に乗りました。
スーツを着たのは前回、2年前の大印展以来かもしれません(笑
コロナのせいでほんとに外出しませんでしたから……。

 

今まで、毎年開催されていた大印展もコロナのせいで去年は中止。今回が二年ぶりとなります。
今後は別の大会との関係もあり、隔年開催となりました。
大会が重なるとどうしても出品数が減ってしまうので、こちらとしてはありがたいです。
まあ、技能グランプリというまた別の大会があるので、二年ごとに大変なのは変わらないんですが……。

 


ともあれ、大阪へ。
国内有数のダンジョンとして有名な大阪梅田近辺ですが、さすがに今回は迷わず会場に着けました。
いつも迷ってギリギリになってしまい、展示してあるほかの方の作品を見られないことが残念でなりませんでした。
印影だけでなく、ほかの方の彫ったものを見るのはいろいろ刺激になります。
めったに見られるものでもないですし。

 

 

そして表彰式へ。

 


木口認・実印の部 : 銀賞

 


木口角印・小篆の部 : 銅賞

 

 


以上二部門で入賞できました。
どちらも出品数が多く、金を取るのはかなり難しい。
後でトップの作品と見比べると、やはり自分との差も実感できました。ここを改善できれば……。
会場で審査員の方や先輩からもアドバイスをいただけたので、次回へと生かしていこうと思います。

 


篆書・印篆+模様:精金百煉2021.10.28

 

24mm(八分角)篆書・印篆:精金百煉

 

意味:

何度も繰り返し鍛えて一層よくすること


講習会の課題で彫ったものです。

 


こういった幾何学模様を彫ることはめったにないのですが、あらためてその難しさを実感しました。
文字を彫るのも難しいですが、また別の難しさといいますか。
線の太さを統一しないといけないし、ほんのわずかな線の曲がりが全体に作用する。
最初から最後まで気の抜けない作業となりました。
だからこそ、長時間になってしまうのも仕方ない。

 


これは文字を彫る際にも言えることですが、仕上げする順番がポイントになります。

たとえば国という字。
周りの口から彫るか、中の玉から彫るか。
自分は必ず口から彫ります。

 

なぜなら、いくら文字として歪みがなく彫れたとしても、文字自体が曲がっていたらハンコとして台無しだからです。
となりの字とのバランスはどうか、全体として字が曲がっていないか。
その字を彫ればいいという話ではないのです。

 

なので、仕上げをする順番としては、外枠を整えたのち、文字の一番外側の線を整えて、すぐ次の文字へ。
そうして全体として歪みがないことを確認してから、文字の内側も彫っていきます。

模様に関しても、まずは目安となるメインの線だけを彫り、それに合わせて周りを整えていく。
考え方は同じです。


どのように仕上げていくか、その順番で仕上げていくか。
印章彫刻において、出来栄えを左右する大変重要な要素だと思っています。

 

 

 

それでは動画をどうぞ。


■YouTube

 

 

 

■ニコニコ動画

 

https://www.nicovideo.jp/watch/sm39545504

 

 


篆書・小篆:英雄欺人2021.09.29

 

24mm(八分角)篆書・小篆:英雄欺人

 

意味:

傑出した能力を持つ人は、素人の思いつかない奇抜な計略や行動をとるということ。

 


講習会の課題で彫ったものです。


よく見ると分かると思いますが、実は数か所失敗しています……。
今見れば、文字のバランスもちょっと悪い。
仕事だったら確実に彫りなおしです。

どうするか迷いましたが、自分への戒めも込めてUPしました。

自分もまだまだ普通の人間です。

 


先日、荒彫りの時に使う当て木を新しくしましたが、思った通り彫りやすくなりました。

 

印材を挟んで固定する篆刻台、それを設置して回転させる傾斜台は購入したものですが、
その傾斜台をさらに斜めにして高くし、彫る姿勢の改善を目的に作った台は自作したものです。

 

自分に限らず、道具を含めて作業環境を改善しようとする職人さんは多い。
弘法筆を選ばずなんて言いますが、いい道具と環境があってこそいい仕事ができると思います。

 

 

 

それでは動画をどうぞ。


■YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=DAHinsByNKY

 

■ニコニコ動画

https://www.nicovideo.jp/watch/sm39403674


長年使った道具の更新2021.09.19

 

 

ハンコを彫る最初の工程、荒彫り。
当て木と呼ばれる小さい木の板に印刀を当て、テコの原理で彫り進めていきます。

 

この当て木、その名の通り材質が木なので、鉄である印刀よりも弱い。
長年使っていると、当て木が凹んできてしまいます。

 

写真の左端の茶色いのが、10年以上使い続けたものです。
印刀が当たる部分がだいぶ凹んでしまい、テコでいう支点の部分が低くなってしまいました。
せいぜい数ミリの変化ですが、0.1ミリ以下の精度を求められる印章彫刻においては、かなり大きな差です。
実際、ちょっと彫りづらくなってきたなと思っていました。


なので、思い切って新調しました。

以前、9センチの巨大ハンコを彫ったときに用意した長い当て木を半分に切断。
写真の右二本がそれです。
長さが違うのは、適当に切ったからです(笑

 


これであと少なくとも20年は使えます。
20年後も彫り続けられるかは分かりませんが……。