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ハンコの彫刻機の歴史

 


「手彫り」は文字通り、手作業でハンコを彫ることです。
では、ハンコを彫る機械とはどういうものかご存知でしょうか?
簡単にご紹介いたします。

 

 

 

■ 彫刻機の歴史 ■

 

 

近年は様々な彫刻機が開発され、種類も多く幅広い彫刻が可能になってきました。
彫刻機が発明されてから60年以上。
ほとんど知られていないその歴史を振り返ってみます。

 

 

 

 

● ペンシル型彫刻機

 

1950年代。ハンコの彫刻機の歴史において、まず最初に現れたのがペンシル型彫刻機です。
その名の通り太い万年筆のようなものに、ペン先の代わりに刃を取り付けたもので、刃を回転させることで彫刻します。
主に荒彫りに使われました。
歯医者さんがよく使う機械からヒントを受けて開発されたそうです。


実際に触ってみた感想としては、普段の手彫り作業とは全く勝手が違うので慣れるまでは時間がかかりそうです。
刃がぶれないよう押さえながら彫るので手が疲れそう。
間近で削りカスが飛ぶので裸眼だと大変。
それでも現在も販売が続いてるということは、根強い愛用者がいることの証明でしょう。

 

 

 

● 光電式彫刻機

 

光電式彫刻機1 光電式彫刻機2

 

続いて1960年代に生み出されたのが、光電式彫刻機
あらかじめシートに印稿を書き、そこに光を透過させ、センサーが感知することで回転針が上下して彫刻するという画期的な機械。
一度印稿を作ってしまえば何度でも使用でき、しかもセットすればあとは自動で彫ってくれるという便利さがうけ、爆発的に売れたそうです。
ただ、全く同じハンコが大量生産できるようになったという側面もあり、こちらも使用するのはあくまでも荒彫りまで、とするお店も多いです。

 

現在では販売が終了し、壊れたらもうそれでおしまいという状況です。
いろいろと癖があったりメンテナンスも必要で、現在も使っているお店はごく少数です。

 

 

 

● ロボット彫刻機

 

ロボット彫刻機2 ロボット彫刻機2

 

そして現代の彫刻機といえば、ロボット彫刻機です。
従来の針を回転させて彫るスピンドル型から、サンドブラストで彫るもの、レーザーで彫るものなど、彫る素材によって様々なものが開発されています。
材料さえセットすれば、あとはパソコン上ですべて事足ります。
ハンコの技術がなくても彫れますが、最初の印稿にどれだけ手を入れるかが職人の腕の見せ所です。

 

スピンドル型で重要なのが、やはり針です。
針の精度が出来に左右されるのは当然といえます。
主に彫刻機のメーカーが研ぎも請け負っており、針の形状も数種類あります。
削る面の数、角度など、お店によってこだわりもあるそうです。

 

 

 

 


■ まとめ ■

 

 

ここまで、彫刻機について簡単にご紹介させていただきました。

なにより大事なことは、
彫刻機とはあくまでツールの一つであり、そこで終わりにしてはならない
ということです。


安売り店やオンラインショップのはんこ屋は、ほぼすべてロボット彫刻機です。
なるべく人件費を減らし、大量生産をすることで値段をおさえています。
それゆえに、劣悪なハンコが流通してしまっているのが現状です。
手彫りの技術を売りにしている当店としてははがゆい思いです。

 

昔のように手彫りのみのハンコはほとんど売れない。
ならば一部でも機械を導入することで値段を下げ、かつ手彫りと同じ完成度を追求すべき。
それが現代のハンコ屋の主流となっています。

 

今後も妥協することなく、手彫りハンコの美を発信していくつもりです。

 

 

 

参考→

印影で分かる! 手彫りと機械彫りの違い4つ

8通りもあるハンコの製造工程



8通りもあるハンコの製造工程

 

ハンコの製造方法としては、大きく分けて「手彫り」と「機械彫り」の二種類がございます。
現在、世に出回っているハンコの多くが機械彫りで大量生産されたもので、職人による手彫りのハンコはかなり少なくなってきています。

もうすこし細かくすると、

・機械を一切使用しない「完全手彫り

・機械で一通り彫ってから手作業で字を整える「手仕上げ

・機械のフォントを使用してボタンを押すだけの「機械彫り

など、機械を使用する度合いで手間と時間、お値段が変わってきます。

​当然ながら、オーダーメイドで手作業で作られたハンコが最も高額で、捺しやすさ、耐久性、セキュリティ性も高いです。


当店では国家資格を持つ「一級技能士」がおりますので、お客様一人一人のために唯一無二のハンコをご提供いたします。

 

 

​【 8通りもあるハンコの製造工程 】


公益社団法人全日本印章業協会が、公正取引委員会に提出した自主基準は、小売店ごとに違っていた製造工程に定義を設けました。​​

統一ルールを作ることで、お客様が抱くまぎらわしさの解消を図るためのものです。

 

 

印章の製造工程の定義
出典:月刊現代印章2018増刊号「ハンコとスタンプの作り方」より

 

 

 

 

​【 メリットとデメリット 】


■手彫りのメリット

​・職人が一本一本丁寧に彫り上げますので、世界でただ一つのハンコになります。偽造は不可能です。

・お客様との打ち合わせを通して、「こんなはずじゃなかった」という事態を避けられます。

・機械のフォント字体ではなく、手書きによる「生きた字」のハンコになります。

・彫る前に下準備をすることにより、朱肉がつきやすく捺しやすくなります。

・手彫りの彫り跡の断面は台形になるので、機械彫りより耐久性があります。

□手彫りのデメリット

・手作業ですので、完成まで時間がかかり、そして高額になります。

・同じハンコを複数本欲しいというご要望にはお応えできない場合がございます。

 

 

■機械彫りのメリット

・納期までが早く、お急ぎの方に向いております。

・同じハンコが何個でもつくれますので、もしハンコを紛失してしまってもすぐ代わりをご用意できます。

□機械彫りのデメリット

・手彫りに比べればどうしても品質が落ちます。捺しづらい、きれいに捺せない、欠けやすいなど。

​・データさえあればいくつでも量産できますので、偽造されやすいのと同意です。大事な家の鍵が全国に存在するようなものです。​

・線の交わる箇所を彫るのが苦手なので、全体的にぼてっとした印面になります。

・データ上では円でも、印材には必ずゆがみがあります。そのまま彫りますので、枠の太さが一定にならない場合が多いです。

 

 

参考→

印影で分かる! 手彫りと機械彫りの違い4つ

完全手彫りハンコができるまで

手彫りハンコの特徴

ハンコの彫刻機の歴史



完全手彫りハンコができるまで

 

ハンコを作ると一言でいっても、実はたくさんの行程を経て作られます。

ここでは、ご注文を受けてから完成までの流れを簡単にご紹介します。

​※ 完全手彫りの場合です。

 

 

 

【1】 印稿作り

 

手書き印稿

 

ご注文内容にそって、彫刻する設計図となる「印稿」を作ります。

ハンコの出来映えの8割以上はこの印稿の出来によって決まるといっても過言ではありません。

彫る技術はもちろん大事ですが、字を選んで配置する技術も大変重要です。

(機械彫りの場合は、フォントを使用します)

 

 

 

【2】 字入れ

 

字入れ

 

印稿が決まったら、それをそのまま、朱墨を塗った印材に直接書き入れます。

ただし字の向きは逆になりますので、鏡を使い左右のバランスを意識しながら書き進めます。

普通は筆を使って字入れする職人さんが多いですが、中には当店のように極細ペンを使用する人もおります。

大きなものや細かいものになると、別に用意した印稿を印材に貼り付けて転写する方法もあります。

 

 

【3】 荒彫り

 

荒彫り

 

字入れが終わったら、数種類の彫刻刀(印刀)を駆使して、赤い部分を彫り下げます。

ただ彫り下げるだけではなく、彫った底面の深さを揃えると見栄えがきれいになります。

ハンコを使うときに直接関係ない部分ではありますが、人目につく場所ですので、職人は細部まで気を抜きません。

​この荒彫りがどれだけきれいに出来るかで、次の作業の効率に関わってきます。

(機械彫りの場合、ここまでを機械で彫刻した状態で納品となります。人の手はほぼ入っておりません)

 

 

【4】 仕上げ

 

仕上げ

 

荒彫り後に薄く印面を削ってから、改めて墨を塗ってから線を整えていきます。

この行程で、文字に命を吹き込むことでそのハンコが生きたはんこに変わります。

大変集中力が問われる作業であり、職人の腕の見せ所でもあります。

​ここでも鏡を使ってバランスを確認しながら彫っていきます。

 

 

 

【5】 捺印

 

捺印

 

仕上げが終わっても、まだ完成ではありません。

何度か実際に捺してみて、最終確認をします。字が曲がっていないか、バランスはとれているか、等々。

そうしたチェックをクリアしてから、ようやく完成、納品となります。

​ですので、納品時には印面にわずかに朱肉が残った状態でお渡しすることになります。

これは職人がOKサインを出したという意味でもありますので、ご了承ください。

 

 

 

 

このように、ハンコが完成するまでの行程をおおまかにご説明しましたが、実際にはこの何倍もの行程を経てできあがります。

 

ただし、これらは「完全手彫り」での場合です。

職人がいる多くの印章店では、荒彫りを機械でやってから手で仕上げる「手仕上げ」が主流となっています。

主に金額と納期の関係から、完全手彫りで彫ることのほうが少ないです。

ちなみに世に多く出回る既製品は、機械で作った印稿を機械で彫っただけの「機械彫り」ですので、人の手はほぼ入っておりません。

だからこそ大量生産が可能で、安価でご提供できるわけです。正直に言って出来はよくありません。

ですから、全く同じはんこが全国に存在することになります。くれぐれもご注意ください。

 

 

参考:

手彫りハンコの特徴

印影で分かる! 手彫りと機械彫りの違い4つ

8通りもあるハンコの製造工程



知られざる篆書体の可能性

ハンコの書体

 

ハンコの書体として一番メジャーなのが、篆書体(てんしょたい)と呼ばれるものです。
象形文字がもとになったと言われるかなり古い字ですが、主に二種類に分けられます。

 

印篆(いんてん)」と「小篆(しょうてん)」です。

 

やや角ばった印篆と、柔らかな線が特徴の小篆。

どちらを選ぶかはお客様次第ですが、実はさらに細分化できます。

(さらに…)



印影で分かる! 手彫りと機械彫りの違い4つ

騙されているかも? ネットショップの嘘を見抜くポイント5つ

https://horiin.com/horimatsu/netshopnouso#more-856

 

↑こちらのページでも触れましたが、手彫りか機械彫りかの判断は、印影や印面を見ればだいたい分かります。
ですが一般の方には、非常に判断が難しいと思います。

でも少しでも理解しておけば、手彫りだと騙されて機械彫りのハンコを買わされる事は減るはずです。
そんな願いもこめて、ここでは機械彫りの特徴をいくつかご紹介します。

(さらに…)